“美女と野獣”の大ヒットが引き金となって90年代に毎年製作された劇場版オリジナル・ディズニー・アニメシリーズ最後の佳作です。 残念ながらこの頃シリーズもややマンネリ化し、観客からの支持も落ちていたと思うのですが、それでも作品そのものの質は変わらず高かったと思います。 中でもひときわ出来が良かったのはこの“ヘラクレス”で、私見ではこれくらい陽性で理屈ぬきに楽しめるアメリカ映画というのはもはや実写作品では見る事ができないのではないかー?と思えるほどです。
なんと言っても特筆すべきはアラン・メンケンの音楽だと思います。 オープニングで、古代ギリシャのミューズたちが、その時代と何の関係も無いゴスペルソングを元気いっぱい歌いだすシーンには思わず吹き出してしまいます。 ヤラレタ!という感じでしょうか? ディズニー・アニメは概ねミュージカルの要素がいつも盛り込まれているのですが、この作品では特にその要素が遺憾なく発揮できたのではないでしょうか。 いかにもアメリカ人好みのマッチョ・ヒーロー譚なのですが、ヒーローというのはただ強いだけではだめなんだ、という万国共通の約束事はきちっと守られているので、これなら子供に見せてもオーケーでしょう。 またヒロインのメグもいい味出していますね。 初めて登場する場面では“何?この女?”という感じなのですが、時間がたつにつれ、思わず“可愛い”と思えてくる絶妙のキャラ設定。 あの投げやりでちょっと鼻にかかった喋り方が実に魅力的です。 日本語版の工藤静香さんは、アフレコがうまいとは思えませんが、いかにも!という人を連れてきたなーと、別な意味で笑ってしまう絶妙(?)のキャスティングですね。
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レポート作成のための参考文献として、使わせて頂きました。とても役に立ちました。 経験と教育 (講談社学術文庫) 関連情報
ジョン・デューイが1911年に東大で講義した哲学概論をまとめた1冊。標題がが改造となっているが、原題に配慮すれば再構築とでも訳すのが無難だが、思想史的な内容に配慮すれば改造でも宜しいかろう。なにせ、19世紀以前の哲学的使命から20世紀から今世紀への哲学を架橋している。日常生活と哲学的思惟との関係性を、諸学との連関で具象的に語り、哲学の使命を明確に位置づけている。そのスタンスは昨年6月に逝去したリチャード・ローティですら、本書を絶えず念頭においていたと言われるほど、精確な認識に基づいている。
画餅のように意味のない認識論構築に勤しんだ19-20世紀の職業的哲学者の限界を、見抜いた哲学入門書で、哲学=精確な知識論(認識論)と社会との関係性を平明にかつ具象的に語ってあますところがない。名著と言われる所以である。訳者も戦後の一時期を風靡した清水幾太郎夫妻で、読みやすい。20世紀初頭にこれだけ教養という幻想に足をとられずに叙述した哲学書は、著者の学的精緻さを証明している。一読の価値あり。
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ドナルドは、愛嬌があって可愛いアヒルです。 1000ピース ドナルド&ヒューイ、デューイ、ルーイ D-1000-313 関連情報
1955年作、白黒作品。脱獄囚3人が平和な家族のもとに押し入ってくる。グレン(ハンフリー・ボガード)がとことん冷酷無比なボス役。家の主人ダンは家 族を守るため、グレンとの必死の息詰まる駆け引きが始まる。同時に家族の絆は強固になっていく。ダンだけではなく妻も子供たちも自分なりに囚人たちに立ち向かう。
「手に汗握る」とはこのこと。終盤グレンは「つまらない人生など要らない」と口にする。彼の内面を垣間見ることが出来る唯一の台詞。
ハンフリー・ボガードがワルを演ずることへの興味は完全に満たされた。ウィリアム・ワイラー監督の手腕にも脱帽。
この作品の特徴は無駄が一切ないこと。そして「人質監禁立てこもり事件」のまさに基本形。
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