extra-large a-spacing-top-medium a-text-center comment-load-error a-hidden">コメントの読み込み中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。その他のコメントを表示5父親と娘投稿者ringmoo 沈黙のひと (文春文庫) 関連情報
小池真理子の父、小池清泰の短歌と、その友人 羽場百合子 の短歌を題材に、それぞれ作中の人が読んだという事で、話が展開していく。話の中で、朝日歌壇にという下りがあるが、実際に羽場百合子の作品は、朝日歌壇に掲載されているとのこと。作品を探してみるのも一興。
短歌が作品の骨格を支えている。
短歌を書く方の文章のやわらかさを表現している。
亡くなった、小池真理子の父親、小池清泰の作品と短歌活動を紹介するための著作だと考えることができる。
小池清泰 作品中「三國泰造」名の短歌の作者
羽場百合子 作品中「小出日出子」名の短歌の作者で、上記の短歌ともだち
作品中、「鶴見ちえ子」、「林奈穂」の話題がどう終わっているのかがよく分からなかった。
この作品を読んで、老後の心配が増えてきた。
良かったことは、短歌の会に入ろうかどうしようか昨年から迷っていたが、この本を読んで,短歌の会に入ろうという気になったこと。
小池清泰
われ征きて 流離の果てに この杳(とお)き 北の港に 母逝き給う
入隊の迫る日 友と黙して 聴きし ポーラ・ネグリ の暗き旋律
夜を徹し マンを論ぜし 朝のニュース 徴兵延期停止を告げる
プーシュキンを 隠し持ちたる学徒兵を 見逃せし中尉の 瞳を忘れず
南海に戦火 ひろがり 青春の 不安に耐えて 読みしは「魔の山」
羽場百合子
ひとたびも 君のみ声を聞けぬままに 言語障害 すすむは哀し
わが歌に 熱き思いを 寄せたまいし 君の消息 絶えて久しも
みこころに 言葉溢れむ 息のごとき きみの声を 全身で聴く
新薬の発見の夢に目覚めれば きみとんとんと歩み来ませり
青春に別れ出で征きし町に立てば家並昏(くら)く氷雨そぼ降る
吾去りしあとのシートのぬくもりにふれしという電話外は夜霧か
沈黙のひと 関連情報
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自分の頃にはもうとっくに学生運動の時代は終わっていました。それでも当時大学生だったいとこに影響を受けたという友人の話や、60〜70年代のロックが好きな知り合いがいたとか、最近のファッションでサイケデリックぽいものが流行るようになってヒッピーに興味を持ったり、本や映像でなんとなくその時代の空気はわかるようになっていました。そんなところに見たのが、先日ドラマ化されたこの「恋」。石原さとみ主演、井浦新、田中麗奈、斉藤工でしたが、ドラマが非常によかったので(音楽も。最後の「天国の階段」には泣きそうになりました・・)原作を読んでみようとこの本を手に取りました。
ドラマも美しかったですが、原作の方がもっと美しかった。陰惨なシーンもあるものの、全編、物語の世界にすっかり入りこんでしまいました。倫理だとか道徳だとかそういう世間一般の常識から見たら、背徳的で不道徳なことがいっぱい出てくるのですが、不思議にそれを感じさせない、そんなことはどうでもよくなってしまう、御伽噺のような物語だと感じました。基本、小池さんはいつまでも少女の気持ちを持ち続けている方ではないかと思います。この小説は女性の方が高い評価を与えるのではないでしょうか。いい意味で少女漫画的な部分があると思うからです。若く潔癖な少女と、美しい人たちの世界。自分がいつまでも属していたいと思うその美しい世界に侵入し、破壊しようとするものが許せなかった、そのような思春期の少女の心理と視点からこの物語は構築されているのでは・・・。そして軽井沢の描写が本当に美しい。ヘルマン・ヘッセの小説を思い出しました。また、片瀬夫妻の関係からふと連想したのはサガンの「スウェーデンの城」に登場する背徳的な兄妹、その愛すべき無秩序ぶりからはコクトーの「恐るべき子供たち」の姉弟でした。
正直、小池真理子さんの小説は今まであまり評価していませんでした。振り返ってみれば、評価できるほどものを読んでいなかったのです。ミステリを数冊くらい。たぶん後世には残らないような気晴らし程度のミステリばっかりだと思っていたのですが、これを読んで、さすが直木賞、まいりました、申し訳ありませんでした、という気持ちになりました(笑)。こんな美しい小説を知りません。いつまでもこの世界にいたくて、いつまでも読み終わりたくありませんでした。
恋 関連情報
読み出して、あれ? 小池真理子?という感じでした。そしてその理由は読み終わった時にわかりました。(最終ページを見て)
それは、この小説が日経の夕刊連載だったからだろうと。
日経の読者の多くは男性でしょう。そしてサラリーパーソン。
あえて小池さんが男性向けに書いた小説なのかもしれませんね。
でも、やはり小池さんの言葉遣いは上手だと思います。
そして男に対する厳しい目と優しい目がある。
2009年の「ふたりの季節」の様な自叙伝的ラブストーリーも良いし、本作品のような対照的な二人の男を登場させて物語が進む日陰的な作品も良いです。
小池さんの観察眼というのか、社会を見る目が凄くリアルです。
おそらく世の中には沢山いるのであろう最低な男、ただし社会的には認知され評価されていたりする男。
主人公の女性(泉)が言葉の暴力と身体的暴力にさいなまれれた時の描写。
「あなたは一種の人格破綻者であり、妻に向かってサディスティックな振る舞いをしなければ、生きていけないほどの幼稚な人なのだ」
「妻を完全に支配しなければ気がすまないのは、自分に自身がないからなのだ」
「あなたは確かに天才と呼ばれている(映画監督として)かもしれないけど、裏の実態はこれなのであり、このことを知るのは私しかいない、私はいつでも、あなたから受けた謂われない暴力を世間に公表できる」ということも半ば身を震わせ、絶叫するようにして言った。
嗚咽し、あやまる必要もないのにあやまり続け、部屋の片隅でまるくなりながら嵐が過ぎ去るのをまっているだけだったのが、、、
世の男性は多かれ少なかれ、身につまされるのであろう。
無花果の森 (新潮文庫) 関連情報