表紙の丸っこいキャラクターと、裏表紙の妙なノリが気になってのジャケ買い。
骨子は主人公ハンベエを中心とした歴史パロディ4コマですが、なかなか上手くできています。
作品の内容は、一応史実に基づいた部分が基本になっており、当然、木下(豊臣)秀吉と竹中半兵衛のコンビがモデル。
「歴史なんて本当かどうだったか分からないんだし、ひょっとしたらこんな人物だったのかもしれないぜ」というIFを、
無茶苦茶なキャラクターに落とし込んで遊び回っている感じです。
主人公ハンベエは、毒饅頭の名からも分かる通りのちんちくりん。移動は主に秀吉の頭の上に乗っています。
天才軍師ながらとんでもない腹黒毒舌キャラクターで、煩悩にも忠実。見た目の愛らしさとのギャップが激しい。
愛らしさと憎らしさがない交ぜになった奇妙なテイストは、全てこのハンベエのキャラによるものだ。
その(一応)上司である秀吉は、見た目が猿。というか完全に猿。でも自分は猿だと思っていないので、猿といわれると怒る。
作中では一番の常識人で、主にハンベエに振り回される役ながら、女癖が悪くて妻のねねには常に頭が上がらない。
仲間思いで部下に慕われる男前な一面もあり、時たま訪れる「いい話」は秀吉の人徳のおかげかも。
秀吉の妻であるねねは、目が細くていかにも柔和な大和撫子。ただしバストだけはアメリカンサイズで、ハンベエに狙われている。
秀吉にベタ惚れなので甲斐甲斐しく主人を立てるが、浮気の現場だけは研ぎ澄まされた包丁が飛ぶ。
女性キャラがやたら多く登場するのは、全て作者さんの好みだそうな。
信長は、常に「信長っぽい」お面をつけて素顔が見えにくい妙な天下人。寺の坊主が大嫌いで、部下遣いが荒い。
妻の濃姫や子飼いのにゃん丸(猫)をいじり回すのが趣味。あと、スケートも?!
他にも蜂須賀小六などお馴染みの歴史上の人物が、ほど良く壊れ気味でぞくぞく登場。
歴史好きにはヌルいかもしれないが、ほどよい歴史ネタと、馬鹿馬鹿しくて時々黒いギャグは素敵です。
ここから入れば歴史が苦手な子供だって歴史好きに……はならないか。
戦国毒饅頭ハンベエ(1) (ガンガンコミックスIXA) 関連情報
大事な物語の締め部分で、主人公である『本多忠勝』を『本田忠勝』と誤植。
171ページから最後まで続いており、この誤りは致命的!
減点の大きな理由であり、次刷での改訂を強く望みます。
内容はあくまで娯楽作品であり、史実と異なっている部分もあります。
そのためか、あえて間違えているのだろうか?と思ってしまう台詞も登場します。
しかし迫力がある緻密な作画は、忠勝の魅力とかっこよさを十分に引き出してくれています。
それだけに、誤植が残念でなりません。
ヴァルハラ 本多忠勝伝 (ガンガンコミックスIXA) 関連情報
今回は政宗祭です。
マンガの描き方、見せ方作者のセンスを感じます。
テンションの上げ方、息の抜き方がお上手。
今後が期待出来る方ですね。
独眼龍改 2 (ガンガンコミックスIXA) 関連情報