古谷 商品

古谷 サルチネス コミック 全4巻完結セット (ヤングマガジンコミックス)

満員電車に子育てに、学校での人付き合いに、生い立ちに、ある種のトラウマに困憊した人すべてのための清涼剤的な本。
凡百、凡千、凡万の「人生哲学書」「自己啓発書」「偉人の名言集」の類いの薄ら寒さが、本書を読めば身に沁みます。

「絆」とか「オ、モ、テ、ナ、シ」とか、口を出せば陳腐になるような言葉がじっさいに口に出されまくって氾濫している今日。

とにかくこの本には酸いも甘いもかっこわるいもかっこいいもサイキックも自慰もすべてがありますです。

以下、特徴メモ。
その一、登場人物にぽろっと吐かせる言葉があまりにすごい。
その二、実は(?)画がうますぎる。夢のなかの怪物とか、野菜とか、やばし。
その三、感動と絆のおしきせ一切なし。だけれど、ほんと、こう、いつの間にかぐっときてますから。
その四、「生い立ち」の無惨さをエクスキューズとして引きずらせない。
その五、関東の田舎の人間たちが「へんなヤツ」を排除しきらないだけの優しさに救いあり。
 主人公を白い目では見るけれど、小学生を含め、「へんなおっさん」をコミュニティからは排除しきらない。
 この絶妙な筆致たるや、唸る。
その六、ヒッピー風のひげ面のおっさん&イケメン多すぎ。
その七、登場人物の軽犯罪を糾弾しきらない。
その八、これほど下ネタをペーソスとからめて直球勝負で描写する作品ほかには知らん。
その九、「稲中」世代もその後の世代も絶対読むべし。
その十、全4巻だけなのを恨んでるあなたがそこにいます。

おしまい。 サルチネス コミック 全4巻完結セット (ヤングマガジンコミックス) 関連情報

古谷 聖闘士星矢 DVD-BOX 3 アンドロメダBOX

十二宮編の熱き闘いを一挙に見れる事でも人気が高いアンドロメダBOXです。
星矢VSアイオリア 一輝VSシャカ 氷河VSミロ 紫龍VSシュラ 氷河VSカミュ 瞬VSアフロディーテに加え、バトル自体はなくとも見応えのある天秤宮、人馬宮編も揃っています。
特に瞬ファンには嬉しいのが付属ブックレットの掘川りょうさんインタビューや本編のアフロディーテ戦。「キャラクタの過去」が丁寧に描かれているのも当時のアニメならではの見所です。
また、所々原作とは違う展開がありますが、中でも「異色」であり「王道」なのが「全くオリジナルの展開を描き切った」人馬宮編。たった1話の中に「聖闘士星矢」ならではの勢いを余す所なく詰め込んでいます。
「前半の名勝負」が前巻のドラゴンBOXに収録され、かなり中途半端に始まる所と、「後1話」の所で次巻のキグナスBOXへと切れてしまっている中途半端さで若干面倒はありますが、評価は星5つです。 聖闘士星矢 DVD-BOX 3 アンドロメダBOX 関連情報

古谷 よんでますよ、アザゼルさん。(2) (イブニングKC)

1巻より微妙にパワーダウンしてる気もするんですが、
安定度は増してるのかな?

今回のネタは「島耕作」に尽きるでしょう、世間的にも、ワシ的にも。

天使のネタは微妙に『るくるく』を彷彿させますが、
露悪趣味的品のなさでは、断然こっちが勝ってると思ったりもしてヽ('ー`)ノ


ただ、汚くしよう・下品にしよう、という露悪嗜好な部分と
漫画的な世界観の面白さへの執着のバランスがうまく取りきれてない感じもあって、
少し食い足りないかなー。

ぶっちゃけ、弾け足りないです。

とは言え、十分面白いし、弾けて壊れても悲しいので、
いいペースで描き続けて頂きたいなあと思っております。



別に辻褄なんて合わなくてもいいので。 よんでますよ、アザゼルさん。(2) (イブニングKC) 関連情報

古谷 サルチネス(4)<完> (ヤングマガジンコミックス)

帯の後ろに書いてある作者のつぶやきは、そのまま読者の希望でもあります。
ワガママですが、もっともっと読みたかったです。
星5つにしたいところですが、もっと読みたかったので、ここで終わってしまう残念な気持ちで−1です。 サルチネス(4)<完> (ヤングマガジンコミックス) 関連情報

古谷 金田一耕助TVシリーズ 真珠郎 [DVD]

もともと「真珠郎」は正史の戦前の作品であり、金田一は登場しない。
そして、本作を映像化する、というのは、なかなかに難しい。
かつて、土曜ワイド劇場等の二時間ドラマでも何度が映像化されたことがあった。
それなりに雰囲気の出ているものもあったが、どれもが成功しているとは言い難い。

本作は、そんな中でも、大谷直子主演ということもあり、原作の持つ妖しい雰囲気が、かなり再現できている。
そう、本作の主役は、古谷一行ではなく大谷直子なのだ。
大谷直子といえば、鈴木清順「ツィゴイネルワイゼン」でも妖しい役所をみごとに演じていた。
この耽美的であるが、著者戦前の作品としては唯一の本格度の高い作品には、まさに適役である。

そういえば、のちに大谷直子は「トリック」でも謎の予言者で出演していた。
本作の大谷は美しく、妖しく、そして魅力的である。
だから、本作では金田一の役所がほのかに恋心をいだく。
これが、著者特異のミスディレクションになる。

原作冒頭の一句が今でも浮かぶ。

 真珠郎はどこにいる・・・

現在までのところ、「真珠郎」の映像化作品としては、最高傑作であろう。
いや、古谷金田一のシリーズでも、その怪しさと美しさは、屈指のものである。 金田一耕助TVシリーズ 真珠郎 [DVD] 関連情報




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