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新野剛志 商品

新野剛志 八月のマルクス (講談社文庫)

八月 マルクスと来れば

なんとなく違う方向を想像してしまうのだけれど

いい意味で裏切られた。

良質のハードボイルド。

メディアのいやらしさを扱ったミステリイには

同じ乱歩賞受賞作の名作

『破線のマリス』があるけれど

あちらが報道なら

こちらはバラエティ

こちらもまた

メディアのいやなところを

巧みに描いてくれている。

ハードボイルドの

ダメな男に降ってかかる災難

当に忘れていた情や義理のために

やむなく動き出し

一度動くとそれは見事な仕事をし

信じていた友人が実は…

などのお約束も

これまた見事にそして結末を想像できないように

果たされていて。

なんと言っても評価したいのが

ほんとにささいな感情が

これほどに多くの悲劇を生み

人生を動かすという

ドラマのようで実際にもよくある話

読後感も悪くないし

読んで損はしないと思う

追記

文庫版表紙の挿絵

なぜかプロ野球の新庄選手に似ているような

偶然だが

作者名も

新野剛志

あはは。 八月のマルクス (講談社文庫) 関連情報

新野剛志 恋する空港―あぽやん〈2〉

旅行会社の空港営業所員・・・あぽやん
島流しと陰口を叩かれながらも、旅行客を
送り出すことにやりがいを憶えるあぽやん遠藤君の
成長を描いた前作から、今度は教育係として
成長した姿を見せてくれます。

1作目は面白かったけど、2作目はマズマズ。
空港のエピソードもネタ切れの感があって、
終わり方も中途半端でした。 恋する空港―あぽやん〈2〉 関連情報

新野剛志 恋する空港 あぽやん2 (文春文庫)

小説の内容は、素晴らしい。
KINDLE版にあたっての、文字フォント、組版についても文句なし。
問題は、紙代、印刷代・製本代・倉庫代・輸送費がないはずなのに、紙の書籍とあまりにも価格差がなさ過ぎかと。
せっかくのKINDLE版ですから、文庫版から紙代と印刷代・製本代・倉庫代・輸送費を差し引いていただきたい。電子化にあたっての費用は組版代でまかなえるはず。
書籍・雑誌のコストの大半は紙代ですから、KINDLE版は劇的なコストカットが期待できるはずです。
紙の書籍のコストを電子版でまかなうような経営はその出版社の命運を決め兼ねないので、猛省を求めます。 恋する空港 あぽやん2 (文春文庫) 関連情報

新野剛志 小説ルパン三世 (双葉文庫)

前に出版されていた「小説ルパン三世 (FUTABA・NOVELS) 」の新訂版です。サイズも文庫サイズとなり、読みやすくなりました。
内容としては全体的に濃く、文章面での読みやすさ・読みにくさは人によって違うものの、ストーリー性はどの作品にも引き込む力を感じました。なので、一人ひとり違うルパンワールドを堪能できると思いますよ★

ちなみに、私のお勧めは「深き森は死の香り」です。ルパンがおちゃらけたセリフの中にも、一人の人間の男性として、しみるセリフを言うのが、かっこよかったです! 小説ルパン三世 (双葉文庫) 関連情報

新野剛志 もう君を探さない (講談社文庫)

主人公・高梨龍平は高校教師。彼が勤める高校の女子生徒が家出し、

彼女を探すうちに暴力団幹部の友人が殺され、

その繋がりを追っていくと、彼の過去−教え子の自殺や殺された友人との関係−に複雑に絡んでくる。

そんなサスペンスフルなストーリーです。

タイトルも中身もちょっとだけ感傷的過ぎるかなって気もしましたが、

主人公の描き方が秀逸。かっこいい。

女子高でこんな先生がいたら間違いなく憧れちゃいます。

教えることが本当に好きで、内面に熱いものを持っていながらも、

過去に教え子を救えなかった呪縛から逃れられず、

生徒と距離を置いてクールに接している。

でも生徒の窮地を身体をはって助けに行くことができる。

男性としてすごく魅力的だなと思いました。

ラストで自殺した教え子から最期にもらった手紙を読む場面では、

涙腺がゆるゆるになってしまいました。
もう君を探さない (講談社文庫) 関連情報




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