遊覧船 商品

遊覧船 遊覧船

原作コミックのイメージにぴったりと収まったBLCDで、その出来に吃驚したほど。
CVも、間宮のちょっと世間ずれした性格が小安武人さんの声にぴったり。
素直で、間宮が好きだけど彼のやり方が間違っていると一生懸命教えようとする日和に、岸尾さんの可愛いような、でも男とわかる声はこれまたぴったり。
こんなに一発聴いて、これだ〜!!!と思えるBLCDってなかなかないでしょ。

お話自体も、おススメです。
偶然出会ってから、一応恋人になるまで。間宮のヘンなお金で解決する性格を知って、それを何とかしようとする日和の奮闘。日和に愛は無償で与えられるものだと言われて少しずつ普通?を学んでいく間宮。
全てがちょっとずつ、一歩ずつって感じなのですが、そのまたのんびりさが良いというか。
でも、妙にボケたコメントやええ??とビビる発言をする間宮は憎めないし、ちょっとかわいかったりもする。
日和も間宮が好きだけど、間宮の扱いには迷うときもある。
その悩みや二人の会話がこのお話に引き込まれる主原因ではないか。

藤たまきさんの絵って、なんだかのんびり、ほわっとしていますが、このイラストにぴったりのお話だなというのが第一感想。

残念なのは、CDブックレットが気の抜けた作りになっていたこと。ぺらっとしたもので、何かショートストーリー的なものもついてない。もう少し気合入れてもよかったんじゃ?と微妙にがっかり。 遊覧船 関連情報

遊覧船 遊覧船 (ディアプラスコミックス)

初期の文学的な痛いくらいセンシティブな藤さんが好きですが
最近になって、その特徴を持ったまま柔らかく温かいタッチ
絵も内容もなったと思います

藤ワールドぽい独特の雰囲気と詩的なモノローグは残したまま
痛い・切ないヒリヒリしそうな展開は抑え目に
甘い恋の気持ちや相手に理解されたい!という
【恋愛】中心に話が進んでいきます

小説家で資産家なのに幼少時に愛情に恵まれず
お金目的でしか人間関係を築けない
お金を与えることだけが「愛情」を与えることだ!と勘違いしている間宮と
体調不良で休学している遊覧船のアルバイトと実家の旅館を手伝っている主人公の日和

勉強や将来へ対する漠然とした思春期の焦りと
時間を持て余したほっかりあいた時間の中で
ちょっと変わった美形な年上の間宮に翻弄されるように恋に落ちていく
お互いがお互いを思っているのに
ちょっとずつずれたり、勘違いしたり
でもそれが大きな軋轢になるんじゃなくて
ほんわりした空気の中、恋人としての愛情を深めるものとして書かれていて
二人で少しずつお互いを知っていく様子は可愛いです

日和が学校に戻ろうと思ったのは、大人の間宮さんに並ぶような大人になるため・・・
みたいな、長く一緒にいるためには反対に子供から大人にならないといけない
そう気づいている日和は大人で
ただ一緒にいたい!!という間宮さんのが可愛くて子供だな〜と思いました
そして間宮さんが日和と一緒にいたくて選んだ道は・・・・

藤先生の作品にはいつも「愛することの優しさ・大切さ」と教えてくれます

独特の絵柄なんだけど、初期より大分線がふんわりと柔らかくなりましたよね
この絵によって、ロマンティックすぎるモノローグとかもハマるんだと思いますし
日本を舞台にしていてもどこか海外やファンタジーぽくて
個性があって好きです

『共有する美しい思い出 離れがたい気持ち 溶けて共有した感覚
 形なんかなくていいんだ』

って、いう言葉が絆の大切さ
愛情は積み重なるものなのだなぁって教えてくれます
遊覧船 (ディアプラスコミックス) 関連情報




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