「陳腐な内容」だと!amazonレビューの斉藤、何言ってやがる!立派な名作だろうが。何を気取ってるんだお前は。
少々「野菊の墓」に似てはいるが、アイドル映画とは思えぬ、三浦友和と芦田伸介の名演、百恵は上手くなくてもいいんだが、雰囲気が
いいんだなあ。美人過ぎない庶民的なお顔で、肺病持ちのはかない少女が良く似合ってる。
病院ものや病気ものは好きじゃないので、あまり観たくないがこれはそれほどイヤミじゃない。高原のサナトリウムという設定が良かった。
原作は遠い昔に読んだのですっかり忘れたが、結構反戦的だったのね。本音トークが多いので死が切実に身近にあった事がよく伝わって
くる。戦争なんかに踏み潰されない真実の純愛映像詩。私は誰が何と言おうと純粋に感動した。特に友和は百点!実に美しい男である。
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純愛物語ですでに古典となり、今日ではあまり読まれないようです。時代を感じています。60数年前、学生時代に愛読した一冊です。改めて読み直してみると、若き日のノスタルギーとほのぼのとした読後感が蘇ってきました。読書とはこのようなものでしょうか。若いハルキスト達も一読すると小説の面白さを垣間見る事が出来るように思います。個人的で感傷的な4つ星の理由です。 菜穂子 関連情報
280円文庫の第2弾です。本書を読んだのは高校生の時、国語の教科書に出てきて、先生に読みなさいと勧められて、読んだように記憶しています。ほぼ40数年ぶりの再読です。
おそらく肺結核に犯されているであろう主人公の私と婚約者節子を巡る物語です。節子の病状を改善する為に、空気の綺麗な高原のサナトリウムで療養する事になります。私も彼女に付き添って、一緒に過ごす事になります。季節は春から夏そして秋へと移っていきます。そんなとある秋の日節子の父がやってきます。父は私に、君も何か仕事をしないといけないよといいます。ここからは、私の書く物語と小説が混在していきます。そして、3年半ぶりに私はこの村を再訪し、山小屋で1人暮らす事になります・・・
若い読者には、少しわかりにくい点があるかと思いますから、少し説明します。先ず結核ですが、現在のように抗生物質で治癒する病気ではなく、ストレプトマイシンが出来るまでは、重症化すれば先ず助からない、文字通り不治の病でした。従って、療法といえば、栄養を付け、体力を温存し、空気の良いところへ転地する程度でした。そして、この小説が書かれた時代、日本は戦争の泥沼に足を突っ込みかけていて、こういう時流に即さない小説を書くことがいかに困難だったか・・という事を頭に入れておくと、冒頭の、風たちぬ、いざ生きめやも(ポール・ヴァレリーの詩の一編)という言葉の重みが良く解ると思います。私も節子も死の渕を彷徨っています。だからこそ一層強く認識される、生きているという事・・そして、節子は死亡しますが、そのことも直接描かれてはいません。3年半後、当地を訪れ、山小屋で1人で過ごしますが、ふもとからから見た小屋の明かりのエピソード、万感胸に迫るものがあります。
蛇足ですが、弟子の福永武彦、大学時代にこの人の小説にはまりました。海市、廃市・・・
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最高です。1週間で完成させて、家にかざっています。
値段も妥当です。ありがとう。
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奈良を訪れた旅行記は数あるわけだが 個人的には 堀辰雄の この作品がもっとも好きである。
堀辰雄というと 軽井沢を舞台にした「風立ちぬ」等で 少々甘ったるい作家と言う評価になってしまうかもしれないが ある程度まとめて堀を読んでみると それなりの苦味も感じられて 面白い。
そんな中で 本作品は奈良訪問記であるわけだが エッセイストとしての堀の 手さばきの確かさが しっかり分る作品である。堀はいつもの通り 幾分感傷的な心で 奈良をうろうろしているわけだが うろうろ具合にも 堀らしい嗜好が散見されて好ましいと感じる。だいたい 奈良を旅行すること自体 誰でも幾分感傷になるわけでもあり その意味でマッチしていると思う次第である。