落花流水 (集英社文庫)

普通は読んだ後に「やりきれない」という感情がわく。

「なんなのだろう」この気持ちは、と本を投げる。

この作家のこれまでの作品とは、毛色が違う気がするからだ。

これは、「すべての執着を捨てよ」というテーマが流れている大河モノで、非常に仏教的である。

手に入れたと思ったらそれは自分のものではない、安住した、と思ったらそうではない、ということを執拗に繰り返すことで、テーマを浮き上がらせようとしている。その手法は、老練とは言い難いこの著者においては、完成されたものとは言えなかった。かえって、著者の未熟さがあらわになり、ただその意気込みだけが伝わる。

もちろん、「執着を捨てたかった」のは誰よりも著者自身であり、己の現状打開のために噴き出すようにして書いていく著者ならではの作品である。

家族、愛する人、終の棲家、若さ、「執着」の対象とされたものは、すべて著者の執着の対象であるのだろう。

おそらく、「手に入らないからあきらめたい」のでこれを書いたのではなく、「手に入りそうになったから」こそ、自戒をこめ、これが書かれたということと推測する。

手に入りそうなものへの過度の執着を防ぐために布石を打つ、というのであれば、著者の執着の度合いもよほどのものであるのだろう。山本文緒という人は、いつも己を飼い馴らすのに苦心している。 落花流水 (集英社文庫) 関連情報

訳あり 野村佃煮 【贈答用昆布佃煮切り落し】 お徳用舞扇　200ｇ

美味しいです。当たり前ですよね、正規品だと、高い商品ですもね・・また、買いたいです。でも、最近、見かけないんですが？ 訳あり 野村佃煮 【贈答用昆布佃煮切り落し】 お徳用舞扇　200ｇ 関連情報

半落ち (講談社文庫)

皆さんのレヴューをみると、賛否両論ですね。
確かに、私も、「空白の２日間」の謎が知りたくて、グングン読みました。
しかし、率直な感想をいえば、最後の謎解きは「えっ？そんな理由で？」と思いました。
もっとすごい謎が隠されていると、期待しすぎていたのです。
梶が、隠し続けていたことも、
警察と検察の内部問題に発展するほどのことではなかったのでは？
最初の取調べの段階で、
志木に話してしまっても、
特にどうということはなかったのではと思わせる程度のことではないのでしょうか？
まあ、前評判を聞いて、ミステリーとして読むから、
期待を裏切られたのであって、
梶の隠し事から導かれるそれぞれの登場人物の人生には、
なかなか面白いものがあると思います。
ミステリーとして読まなければ、☆５つに相当します。 半落ち (講談社文庫) 関連情報

布施商店 【先丸】 純綿 軍足 （24～26cm／ 5足入）

農作業用に使っています。履き心地はとても良く満足しています。 布施商店 【先丸】 純綿 軍足 （24～26cm／ 5足入） 関連情報

半落ち

現職の警察官が、病気を苦にした妻を殺害し2日後に自首する。しかし、その2日間の行動について本人が頑なに口を閉ざすため、警察、検察、裁判官などが、それぞれの立場から、その2日間の空白を埋めようとする。逃げようとする気配がなく自首してきた犯人の、犯行後の行動を主題とした異色の作品。主題となっている事件だけでなく、警察や検察の取引や、立場の違う6人の男たちのそれぞれの事情などによって、読者の興味をそらさないようにしているものの、本題である空白の2日間については、最後の最後までわからないため、途中やや間延びした面は否めない。ただし、その最後の最後にわかる空白の2日間については、素直に感動し涙が出ました。少なくとも最近5年間では、本を読んで涙なんか出たことのない私がです。こんな時代だからこそ、皆感動を求めており、それが本作品を手にとる人が多い理由であることがよくわかりました。 半落ち 関連情報

今回は言葉だけになってしまいましたぁ。 チャンネル登録あいばとー(*´ω｀*)