百瀬なつ 商品

百瀬なつ 三善晃「レクイエム」

三善晃の作品は、留学したフランスのスタイルに影響を受けた柔らかい音と見られる向きもあるが、レクイエム(1971年作曲)は違う。違いすぎるほど違う。戦争の残酷さを戦争の当事者による詩(テクストは反戦詩集や特攻隊員の遺書などによる)に歌を付けて表現した…などという生温い次元のものではなく、初めから終わりまで、慟哭そのものである。これほどの厳しい音はなかなか作曲家と言えども書けるものではないし、まして、音に対するこれほどの厳しさを、始終保ち続ける作品はそうそうお目にかかれない。この作品には、どこをとっても癒される類いの音は1音符も無い。でも、何度聴いても感動する。
「変化嘆詠」は、山里の古寺に出る変化(へんげ=化け物)たちを、一休が回向する話。最初の7分間は合唱だけで聴かせ、いきなり入る和楽器が印象的。「四季に」は秋、冬、春、夏という順に並ぶ、アカペラによる短い無調スタイルの作品。変化に富み、美しい。最後のピアノソナタは留学時代の作品(1958年初演)。語法は西洋的だが、この作品を聴くことは、ここからの10年で、作曲家として如何に変わろうとしたか、そして変わったかが手に取るようにわかる。CD自体の構成も素晴らしい。 三善晃「レクイエム」 関連情報

百瀬なつ あの朝の別れから_非情な恋人 Ⅱ (ハーレクインコミックス)

こちらはミニシリーズ〈熱砂の恋人〉の第2弾になります。
シーク・大富豪・貴族と立場は違えどいずれもスーパーハイソな3人の
男性の恋模様を3人の違う作家さんで描いています。
この3人の接点はイギリスの大学に留学した際の同窓生という点なのですが、
この留学時代の出来事がお話に深く関係してきます。
百瀬先生の描く今回のお話は、自分に自信の持てないヒロインと、
女性に対して常に自由奔放な大富豪の男性のすれ違う思いを描いています。
死んでしまった美しすぎた従姉の影がいつまでも拭い去れないヒロインと、
いつもは強気な男性がヒロインに対してだけは弱気な面を見せた場面…。
たった一言が言えなかったためにすれ違ってしまった二人の愛が再生する
までを描いています。
なんといっても今回は小さな天使もいることですし…。
最後のクライマックス、渡り廊下のシーンは二人の愛する気持ちが溢れ出て
圧巻です!
絵もきれいでおすすめの作品です。 あの朝の別れから_非情な恋人 Ⅱ (ハーレクインコミックス) 関連情報

百瀬なつ ウクレレジブリの風

名渡山遼、新納悠記の若手二人と栗コーダーカルテットの近藤研二という、一見して意図を図りにくいジブリ・シリーズ第三作に、実は手を出すのをためらっていました。聴いてみれば、三人三様の良さに納得です。
中ではテクニシャン寄りをアピールしつつ、実はスローな曲での歌い口に力を注いでいる名渡山さん。「ひこうき雲」が好きですが、ピアノを入れた「時には昔の話を」もいい味でした。
様々な意味でのウクレレらしさを内包して自然体の新納さん。「人生のメリーゴーランド」で、この沁みる音色は誰だろう? と一気に惹きつけられました。
そして、キャリアと余裕で貫祿の音楽を聴かせる近藤さん。彼の「Arrietty's Song」は別格の印象です。
過去2作のように百花繚乱的な楽しさではなく、弾き分けられた作品を楽しめるスプリット・アルバムとしてお勧めします。 ウクレレジブリの風 関連情報




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