発明ソン太〔完全版〕【下】 (マンガショップシリーズ 408)
初出 光文社『月刊少年』。これもエピソードの順番を入れ替えてないという推定で掲載号を書いてみる。
ソン太VSカーキラーの巻 1963年10月号
反引力ペンキの巻 1963年11月号
ソン太式消音器の巻 1963年12月号
ニセ札事件の巻 1964年1月号
ボディーガードの巻 1964年2月号
ブラック光線の巻 1964年3月号
とうめいペンキの巻 1964年4月号
ニセソン太の巻 1964年5月号
イルカのトーキーの巻 1964年6月号
ツルリンコンそのI 1964年7月号
ツルリンコンそのII 1964年8月号
ナマズ大明神の巻 1964年9月号
五輪ピック号の巻 1964年10月号
マジックノーズの巻 1964年11月号
アルバイトの巻 1964年12月号
ウルトラDの巻・1 1965年1月号
ウルトラDの巻・2 1965年2月号
ウルトラDの巻・3 1965年3月号
ウルトラDの巻・4 1965年4月号
ウルトラDの巻・5 1965年5月号
ウルトラDの巻・6 1965年6月号
あと、読み切りが2作
カッパ沼事件の巻 「少年スリラーブック」1962年夏休み大増刊号
雪男騒動の巻 「少年漫画ブック」1963年お正月大増刊号
「ソン太式消音器」は、「ガッチャマン」に位相をずらした音をぶつけて音を消すというメカ鉄獣が出てきたが、その10年ぐらい前にやっている。そして今、その技術はノイズキャンセリングヘッドホンや、重機の排気音を低減する装置として実用化されている。摩擦が0になるツルリンコンとか、科学的な仕掛けがたっぷり。ほんとにすごいな。
長編「ウルトラDの巻」では、太平洋戦争の頃のメカが今見るとほんとにきっちり描いてある。メカはほんとにディテールがシンプルに必要なものをちゃんと描いてあるという意味ですごい。
上巻に登場したマイクロの顔が記憶にあるのと違ったのだけど、この巻では途中から知ってるかわいい顔になっている。途中でデザイン変更したのね。上巻と言えば、「インスタントタイガーの巻2」(1962年4月号)から原稿のサイズが正方形に近い形になって、この巻の「ボディーガードの巻」(1964年2月号)まで続いてるんだけど、どういう形で掲載されてたんだろう。
最後に収録されている読み切り2編は、時期的には上巻の途中に当たる。連続ものじゃないから、途中に入れるとか、上巻の巻末に入れるとかでも良かったんじゃないかな。単なる欲張りな要求ですが。
この作品を完全版として読めたのはほんとにうれしいです。それこそ1981年の全2巻から29年ぶりの悲願達成だもんね。
あさのりじ先生の作品というと、あとはこのあとの7月号から半年間連載した「とびこめビキタン」と、あとは読み切りかなぁ。サンデーに載った謎の地下鉄の短編のことを今も覚えているけど、千代田線の06系を見たときに、あの短編に出てきた30年後の未来の地下鉄車両ってこんな感じか!と思ったもんだ。
短編集としてまとめるほどの量はないのかも知れないけど、まとまったら読みたいです。
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甦るヒーローライブラリー第3集 光速エスパー DVD-BOX
本作については2001年に全7巻のDVD-BOXが発売されていますので(税抜き32,000円)、早速両者を比較して観ました。
1)画質はほぼ同じです。フィルムの傷などは修復されていません。
2)特典映像は、2001年版がa.パイロットフィルム、b.特撮テストフィルム、c.エンディングフィルム、d.第5話零号オープニングフィルムの4点であるのに対して、2011年版はa.のみです。しかし、特典映像の方が格段に画質がクリアなのは保管条件の違いなのでしょうか。皮肉なことです。
3)2011年版封入の解説書は全12頁ですが、うち8頁は各話のあらすじ紹介で、解説自体は1頁に過ぎません。2001年版は観音開きの簡単なライナーノーツしかありませんが、登場人物紹介、各話シナリオタイトル、初放映日、視聴率など限られたスペースにも拘らず精一杯の情報を盛り込んでいて、資料的にはこちらの方が価値有りです。
4)価格と商品のコンパクトさでは当然2011年版の方がよい。
結局のところ、2001年版をお持ちの方は敢えてもう一度買う必要がありませんし、商品のトータル・クォリティはむしろ低下していると言わざるを得ません。数年前に発売された『マグマ大使』のDVD-BOXが素晴らしい修復振りで高画質を実現していただけに今回の内容は残念です。やはりプロデューサーの熱意の差なのでしょう(『マグマ大使』のリマスターを手掛けたキングレコードのプロデューサーは相当な特撮マニアのようですから)。『光速エスパー』も綺麗な画面で観たいなあ。
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光速エスパー 【あさのりじ版】 (マンガショップシリーズ (29))
あさのりじ版「光速エスパー」は、雑誌「少年」に連載されていた当時、リアルタイムで読んだ。
あさの氏の作品は「発明ソン太」なども同じだが、不思議な曲線で描かれたメカが、実に生き生きとメカとして作品中で動いている。
少年心にも、面白い絵だと感じられたものだった。
大人になり、すでに少年の心をなくした私であったが、今再びあさの版「光速エスパー」を読む機会を得て、失われたものが戻ってきたように感じた。
今、このようなマンガはない。
マンガが子どものものであり、みんなが子どもの目線で作品を雑誌を作っていたことが、今になって分かる。
ストーリーの細かいつじつまなど、どうでも良いのである。
まず面白いこと、そして正しいものが勝つ、ということが大事なのだ。
徹底したデフォルメがされているのにもかかわらず、終始崩れないデッサン力による安定した絵柄。
昔のマンガ家より、多分今のマンガ家の方が絵はうまいのだろうが、余計なものを書き込まない、というのは、実はとっても難しいのだ。
なにしろ、ごまかしがきかないのだから。
エスパーが東芝のキャラクターであり、販促を兼ねたマンガ化だったことは有名である。
でも、のちのテレビドラマ化と連動して始まった松本版「エスパー」より、私はあさの版のほうがずっとずっと好きだ。
松本版よりあさの版が評価されない理由が、私には分からない。
単純な線、単純なストーリー、しかし、そこから飛び出す爽快感こそ、少年マンガの真髄である。
あさの版「エスパー」には、まちがいなくそれがある。
今では「アンパンマン」などの幼年向けマンガでしか見られなくなってしまった絵柄だが、かつては手塚、石森、横山、藤子諸氏の作品など、みんなこういう感じだった。
白土三平だって「ワタリ」や「真田剣流」のころはムダな書き込みはなかった。
久松「スーパージェッター」などもこの仲間だ。
みんな夢中になっていたものだ。
うん、実にヒーロー物に良く似合う。
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発明ソン太〔完全版〕【上】 (マンガショップシリーズ 407)
初出 光文社『月刊少年』。エピソードの順番を入れ替えてないという推定で掲載号を書いてみる。
海底を行くの巻 1961年9月号
月人あらわるの巻 1961年10月号
立体インキの巻 1961年11月号
四次元西部旅行の巻 1961年12月号
地底世界への巻1 1962年1月号
地底世界への巻2 1962年2月号
インスタントタイガーの巻1 1962年3月号
インスタントタイガーの巻2 1962年4月号
交通戦争大作戦の巻 1962年5月号
磁力飛行機の巻 1962年6月号
無人島へ宝探しの巻 1962年7月号
沈んだロケットを探せの巻 1962年8月号
アフリカ旅行で遭難?の巻 1962年9月号
タケノコロケットの巻 1962年10月号
ソンタ・スコープの巻 1962年11月号
ニセサンタを捕まえろの巻 1962年12月号
ソンタラビット号の巻 1963年1月号
サイミン術強盗団の巻 1963年2月号
史上最大の捕鯨作戦の巻 1963年3月号
ソンタカバリカ号の巻 1963年4月号
ドッコイエキスの巻 1963年5月号
水を燃料に!の巻 1963年6月号
ソン太の昆虫採集の巻 1963年7月号
助けた亀につれられての巻 1963年8月号
ストップグラスの巻 1963年9月号
あさのりじの代表作のひとつ、「発明ソン太」ですよ。1981年に出た全2巻を持ってるけど、やっと念願かなって完全版。リアルタイムで読んだ記憶があるのは1964年の夏頃からなので、上巻に収録されてるのは以前の単行本以外では読んだことがないはず。で、読んでるとまったく記憶にない。ゆいいつ、ソン太ラビット号だけは覚えてたけど。前の単行本を掘り出してつきあわせたいが、どこに埋めたやら。
科学知識、時事ネタをちりばめて、メカや動物をシンプルな線できっちり描いてる作風が今読んでもすばらしい。科学解説マンガも多数手がけている人なので、そういう知識がこの作品にも生かされていると言うことかな。
ところで、中に出てくるモグラクターというメカは、これとそっくりなキャタピラ配置のプラモデルが数年後に出ているけどなんか関連があったのかなぁ。
この巻がマンガショップシリーズ407だそうで、全部買ってる人もいるんだろうなぁ。とてもついて行けません。そんな中でこれは無理してでもも欲しい作品だった。
無理して買ってよかった。満足です。
発明ソン太〔完全版〕【上】 (マンガショップシリーズ 407) 関連情報