一緒に刊行された本編よりも、面白かった。
仁吉や佐助はもちろん、日限の親分のエピソードが良かった。続編が是非読みたい。
えどさがし (新潮文庫) 関連情報
ここんとこ「しゃばけ」が今ひとつの感じがしてたんでまんまこと→こいしり→こいわすれ系を予約して読んでおりました。
で 今日届いたんで しみじみと読んだんですが どうも いつもの畠中さんの書く主人公達じゃない、全然 動いていない。何をするのも全員楽しそうと言うよりもイヤイヤやってる感じがする。
よくこういう展開の場合、作者が根気を無くすとか 妙な宗教にハマってるとか 病気だとか パワーが抜けた時の感じじゃなかろうか?と感じました。
どうも変だな?と読んでいると(こっからあ ネタバレになるんでやめます)信じがたい展開だし、その件に関してだって書きようもあろうかってんですが なんにも無い。
あたしの友人で似た様な境遇の奴がいるんですけど もっと会話をしてましたよ。あんな薄味のあっさりしたもんじゃあない。
なんか あったんすかね?こないだの「しゃばけ」も「ゆんでめて」で張り巡らした伏線を何一つ有効活用してないのを筆力だけで作品にしちまってる感じがしました。
こいわすれ 関連情報
「もしあの時、進む方向を変えなければ・・・。」
一瞬の判断がその後の一太郎の運命を変えた。屏風のぞきが行方不明になった原因は自分に
あると思った一太郎は、屏風のぞきを見つけ出すために評判の事触れに会いに行くとこにした。
そこで起こった出来事とは・・・。表題作を含む5編を収録。しゃばけシリーズ9。
「もしもあの時・・・。」そう思うことは誰にでもある。それが、取り返しのつかないことにつながると
したら・・・。「進むべき道は右か左か?」一太郎にとってこの差はあまりにも大きかった。大切な
友である屏風のぞきの行方がつかめない。悔やんでも悔やみきれない。
「あの屏風のぞきが!?」読んでいる方も、どうなってしまったのだろうと心配しながらページを
めくっていく。しゃばけシリーズに必ず登場していた屏風のぞきが、このシリーズで姿を消して
しまうのか!?だが、ラストに待っていたのは意外な結末だった。この作品の巧みな構成はこの
結末を導き出すためだったのかと、読み終えてから納得した。得るものがあれば失うものがある。
この当たり前のことが、この作品では強く生きている。期待を裏切らない、楽しめる作品だった。
ゆんでめて (新潮文庫) 関連情報
表紙の装丁、特に題字がいい雰囲気を出しています。
「序」
「チョコレイト甘し」
「シュウクリーム危し」
「アイスクリン強し」
「ゼリケーキ儚し」
「ワッフルス熱し」
といったタイトルのついた連作短編集。1話1話が短いので読みやすい。途中洋菓子をつくる場面の描写がはいりますのでお腹すいている時に読むとつらいかも。タイトルの意味は作中にて確認下さい。
時は明治23年。洋菓子店を開いた皆川真次郎とその周辺の人々が織り成す物語。時代背景については少し触れる程度。詳しくないと話が分からないということはありません。「スイーツ文明開化」騒動記と銘打たれている今作品。次々とふりかかってくる問題に彼らはどう対処するのか。
雑誌で連載されていた都合か、1話1話で考えると違和感無いののにまとめて読むとなんか綻びがあるように思えた。主人公である皆川真次郎というキャラを掴めなかったのと、曖昧に終わった話の所為で後味がすっきりしない。すっきりしないあれやこれやに関してはもしかしたら続篇をだすつもりだからだろうか?
読んでいて個人的に困ったこと。作中では日常でカタカナで表記されるものが漢字になっている。明治という時代の雰囲気を考えれば当然なのだが、ルビがうたれているのが各話で最初に出てきたときだけ。一回出た言葉のルビはそのあとうたれていない。話の途中で一旦閉じると読むのを再開した時「これ、なんて読むんだっけ?」となってしまった。特に洋菓子の材料名が……。その度、前の方へページをめくって確認していたので、話に入り込むのに手間がかかった。
アイスクリン強し (講談社文庫) 関連情報
「しゃばけ」シリーズの第8弾。
最近のシリーズはキャラクターに頼った話が多くなってきていたので少し飽き気味だったが、本作は原点に戻って神や妖とは何かを探る旅のような構成になっている短編連作。
若旦那の目の光を取り戻すための顛末を面白く、可愛らしく描いている。
「桃太郎」と「浦島太郎」のその後の話は面白く、考えさせられた。
ころころろ (新潮文庫) 関連情報